意外と知らないテレビアンテナの種類!現在主流のものから4K8Kも
テレビを見るためには、地上デジタル放送の電波を受信するためのアンテナが必要になります。新しくテレビを買ったけれどアンテナを設置するのを忘れていた……という人も意外と多いのではないでしょうか?
じつはテレビアンテナにもいろいろと種類があるのをご存知でしょうか。種類によって取り付ける場所や価格、性能などが変わってくるので、アンテナの違いも快適にテレビを見るためには重要なものです。今回のコラムでは、テレビアンテナの種類による特徴をご紹介いたします。
目次
▼テレビアンテナの中の定番「八木式アンテナ」
八木式アンテナは屋根上に設置されていることが多いアンテナです。テレビ用のアンテナとして古くから普及しているものですので、見ればピンとくる方も多いでしょう。
【どんなアンテナ?】
アナログ時代はVHFアンテナ、現在ではUHFアンテナと呼ばれていますが、どちらも八木式アンテナに分類されます。一見魚の骨のようにも見える、細い棒がたくさんくっ付いたような形状をしています。
この棒は「素子」と呼ばれ、素子の数が多ければ多いほど電波の感度は高くなります。一般的に使われることが多いのは「14素子」もしくは「20素子」でしょう。
どちらがいいというわけではなく、設置場所の状況によって向き不向きがあるようです。アンテナの価格はどちらの素子でも4,000円ほどになり、工賃を含めると40,000円~50,000円ほどの費用になります。
【メリット】
八木式アンテナは数あるテレビアンテナの中でも、強く電波を受信することができます。屋根上に設置され、大きな素子で電波を受け取る八木式アンテナは、電波を受信しやすいようにできています。
【デメリット】
屋根上にあるがゆえのデメリットですが、八木式アンテナは天候の影響を非常に受けやすいアンテナとなっています。台風や激しい雪の日、鳥が住み付いた場合などに、映像の乱れが出てしまうことがあります。
▼見た目スッキリ!「デザインアンテナ」
近年八木式アンテナと並んで、地デジ用のアンテナとして定番化しているのが、デザインアンテナです。最近の新築の物件にはこちらが付けられていることが多いようです。
【どんなアンテナ?】
一般的にイメージされるようなアンテナの形ではなく、一見ただの板に見えるシンプルな外観が特徴です。そのデザイン性の高さから人気が上昇しており、壁の色に合わせてアンテナの色が選べるなどのオプションが付いている場合もあります。
【メリット】
一番のメリットはやはりデザイン性の高さですが、それ以外のメリットとして、八木式アンテナに比べて取り付けが容易な点が挙げられます。屋根上に取り付ける八木式アンテナと違い、壁に取り付けるものなので、メンテナンスが容易なのも大きなメリットです。
【デメリット】
デザインアンテナはテレビの電波が弱い壁面に取り付けるため、どうしても八木式アンテナよりも受信する電波は弱くなってしまいます。中には電波の弱さから、そもそもデザインアンテナを取り付けることができないお宅もあるようです。また、アンテナの価格が10,000円ほどと、八木式アンテナよりも高額になります。
▼賃貸住宅でも設置可能な「室内用アンテナ」
賃貸に住んでいて、外にテレビアンテナを設置すること難しい場合、室内用アンテナを設置するのがよいかもしれません。
【どんなアンテナ?】
テレビアンテナが設置できない賃貸でも、お部屋の中に気軽に設置できる室内用アンテナ。通販などで1,000円程度からの値段で手に入り、室内の壁に設置して電波を受信することができます。
【メリット】
とにかく手軽な点です。安価で手に入り、アンテナやテレビ端子を設置するのに大がかりな工事をおこなう必要がないため、テレビを新しく購入した一人暮らしの人が買うことも多いようです。ベランダや屋根上にテレビアンテナが設置できないとあきらめていた人にとっては、非常に魅力的なアンテナでしょう。
【デメリット】
八木式アンテナやデザインアンテナに比べると、どうしても簡易的なアンテナなので受信電波が弱く、非常に不安定なのが大きなデメリットです。室内用アンテナがまったく使い物にならないお宅も多く、すべての人に向いているアンテナではありません。
▼BS・CSも見たい!「パラボラアンテナ」
BS・CS放送を見たい場合には、地デジ用の八木式アンテナやデザインアンテナなどに加えて、パラボラアンテナを設置する必要があります。
【どんなアンテナ?】
BS・CS放送は地デジ放送とはまた別の、衛星からの電波を受信することで視聴できるようになります。この衛星の電波を受信するアンテナがパラボラアンテナです。BS・CSの電波を個別に受信するのか、共用のアンテナでどちらも受信するのかなど細かな違いもあります。
以前は、BS・CS放送を見る場合には別途チューナーが必要な場合がありました。ですが、現在ではチューナーを用意する必要はほとんどなく、ベランダや屋根上などにパラボラアンテナを設置すれば、放送を楽しむことができます。価格はアンテナ本体が5,000円ほど、工賃を含めると10,000円~20,000円ほどになります。
【メリット】
BS・CS放送を視聴したい場合には、パラボラアンテナによって放送を受信できること自体がメリットになるでしょう。また、BS・CS放送では地上波よりも専門性の高い番組が放送されていることもあり、地上波の番組よりも深くテレビ放送を楽しめる場合もあるかもしれません。
【デメリット】
パラボラアンテナは角度調整がシビアなアンテナです。設置の際や、角度がずれてしまった際など、素人が調節するのは難しいでしょう。何かをぶつけてしまったときや、ひどい悪天候のときには注意しなければなりません。
また、BS・CS放送には受信料がかかります。とくに、別途手続きが必要なCS放送と違い、BS放送に関しては特別な手続きはなく、BS対応のパラボラアンテナを設置した時点で受信料を払う義務が発生します。
CS放送のみを見たい場合には、安易に共用アンテナを設置して、多く受信料を払うことになってしまわないように注意が必要でしょう。
▼今話題の圧倒的高画質「4K8K用アンテナ」
テレビアンテナの種類の中でも最近とくに話題になっているのが、4K8K用アンテナです。家電量販店でもよく見かけるようになった「4K8K」という言葉ですが、通常のアンテナとはいったい何が異なるのでしょうか?
【どんなアンテナ?】
4K8K用アンテナは平たくいってしまえば、「今までよりも更にキレイな画質でテレビ放送を楽しむためのアンテナ」です。近年4K8Kテレビが家電量販店でよく売り出されています。しかし、「4K8Kテレビを買っただけでは4K8Kの放送を見ることはできない」ということは意外と知られていないのでは?
4K8K放送は現在、BS・CS放送と同じように、衛星から専用の電波を発信して放送されています。そのため、4K8K用の電波を受信して映し出すことのできるテレビとアンテナがそろっていなければ、4K8Kの放送を楽しむことはできないのです。
【メリット】
やはり4K8K放送のメリットといえば、地デジ放送をはるかにしのぐ高画質でしょう。2020年に開催される予定の東京オリンピックなど、とくにスポーツの放送はできるだけハッキリとキレイな画面で楽しみたいものですよね。
また、4K8K用アンテナは今後地デジアンテナに代わり、主流のアンテナになる可能性も秘めています。今からその時代に備えて4K8K用アンテナを取り付けておくのもよい選択肢かもしれません。
【デメリット】
ひとつは地デジアンテナよりも工賃やアンテナの価格が高い点です。工賃を含めた総費用が、地デジアンテナでは40,000円~50,000円ほどなのに対し、4K8K用アンテナの工賃は70,000円~80,000円ほどが相場といわれています。また、工事できる業者自体がまだまだ少ないという問題もあります。
また、4K8K放送は現在になってやっと本放送が順次始まっている段階で、一部チャンネルやインターネットチャンネルの試験的な放送が主になっています。全国放送をしている放送局でもこれから順次放送が始まっていくところですので、目当ての番組が見られないかもしれないという問題があります。
ただし、これらのデメリットは新しい規格ゆえのもので、時間が解決してくれるであろうものばかりです。もう間もなく、このような問題は解消されることでしょう。
▼まとめ
テレビアンテナの種類には、地上デジタル放送を見るための主流なアンテナである「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」を始めとして、さまざまなものがあります。テレビアンテナを選ぶ際には、自宅の環境や楽しみたい放送を考慮して、それに適したアンテナを選ぶ必要があります。
テレビアンテナの中でも近年注目されているのは「4K8K用アンテナ」です。新しく生まれた、従来よりも高画質な放送を楽しめる規格で、これからのテレビ放送の主流になる可能性を秘めています。2020年の東京オリンピックなどに向けて、より高画質な放送を楽しめるように今から準備しておくのも悪くないかもしれませんね。
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